人文・社会科学分野の知を頼りに、いま私たちが生きている時代や社会について考えを深めていくレクチャーシリーズ「Academic Insights」を、デサイロでは定期的に開催しています。
シリーズの第13回では、表象文化論/ファン研究者の渡部宏樹さんに登壇いただき、「ファン研究」の観点から、「エンタメ」と「政治」が融解した時代をひも解いていきます。
いま、ポップカルチャーのみならず、政治や市民社会の形成という点でも「ファンダム」の動員や、「推し活」に近い状況が発生する時代を生きています。先日の参院選における新興政党の躍進についても、新しい参加型文化や「推し」の側面を感じた方も一定数いるかもしれません。
では、そもそも「ファン」あるいは「ファン研究」とはいかなるものなのでしょうか。そのヒントを授けてくれるのが、2025年5月に出版された『ファンたちの市民社会 あなたの「欲望」を深める10章』です。
1990年代以降に盛り上がりをみせた「ファン研究」の入門書であり、「ファン」の視点からより良い生と市民社会を実現するヒントを探った本著は、誰もが何かの「ファン」であるこの時代を捉えようとした一冊です。本書のなかで提示されるのは、「悪さ」というキーワード。ファンダムの欲望と快楽の「悪さ」を引き受けることが、次なる市民社会を描くことにつながる、と指摘されています。
著者の渡部宏樹さんはメディア論・ファンダム研究の名著である『コンヴァージェンス・カルチャー:ファンとメディアがつくる参加型文化』の訳者のひとりでもあります。同著にオードリー・タンが寄せた推薦文には、次のように書かれています。
「参加型テクノロジーによって、私たちはメディアのリテラシーだけでなくコンピテンシー(実行力)を手にした。本書はこのことを全世代に知らしめた。私たち自身のメディアと物語(ナラティブ)を社会的に作り出すことが集団的な覚醒へと繋がるのだ」
今回のAcademic Insightsでは、渡部宏樹さんをゲストにお招きし、「ファン研究」の解説と、そこから見えてくるこれからの市民社会や参加型文化についてお話いただきます。
■イベント日時
2025年8月19日(火) 19:30〜21:30@Zoom
※後日アーカイブ動画の視聴リンクもお送りいたします※
■チケット価格
一般参加:1,980円(税込)
De-Silo Online Membershipメンバー:無料
注意事項
・一般参加チケットは、本Peatixページよりチケットをご購入ください。
・本シリーズのアーカイブ動画視聴をご希望の方は、以下のDe-Silo Online Membershipにご参加ください。メンバーシップにご加入いただいた方は、本イベントについても無料でご参加いただけます。
↓メンバーシップへのご加入を希望される方はこちらへ
▶▶▶会員制コミュニティ「De-Silo Membership」へのご加入はこちら
■タイムテーブル
19:30-19:35:イントロダクション
19:35-20:20:渡部宏樹さんによるレクチャー
20:20-21:20:ディスカッション/参加者からのQ&A
21:20-21:30:ラップアップ/次回予告
■登壇者プロフィール
渡部宏樹(わたべ・こうき)
筑波大学人文社会系助教。南カリフォルニア大学にて映画メディア研究の博士号取得。専門は表象文化論、ファン研究。共著に『メディア論の冒険者たち』、共訳書にジェンキンズ『コンヴァージェンス・カルチャー』。
■モデレータープロフィール
岡田弘太郎(おかだ・こうたろう)
一般社団法人デサイロ代表理事。一般社団法人B-Side Incubator代表理事。『WIRED』日本版エディター。クリエイティブ集団「PARTY」パートナー。2022年、人文・社会科学分野の研究者を中心とした独立研究所/シンクタンクである一般社団法人デサイロを設立し、産官学の多様なステークホルダーとの連携によるプロジェクト創出や知の拠点づくり、研究者とアーティストの協働によるアートフェスティバルのプロデュースなどを行う。1994年東京生まれ。「Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2023」選出。
■主催:一般社団法人デサイロ
一般社団法人デサイロは、人文・社会科学分野の研究者と協働するインディペンデントな研究所/シンクタンクです。研究支援、自社レーベル/メディアの運営、コンサルティングサービスの提供、研究と多分野のかけ合わせによるプロジェクト創出などを通じて、「知の創造と流通」を支えていきます。
■お問い合わせ
プログラムへのお問い合わせについては、下記メールアドレスにご連絡ください。
De-Silo事務局
contact@de-silo.xyz