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11月学堂会では産業別組合の全日本建設運輸連帯労組関西地区生コン支部の湯川委員長と、労働者の権利を守る関西地区生コン支部を警察・検察・裁判所が弾圧している一連の事件を取材する非営利独立探査報道機関Tansaの渡辺編集長と中川記者をお招きし、事件の背景や労働組合のあり方、憲法28条で保障された労働者の権利等について学びます。
🟦 日時:2025年11月10日(月)19時~20時30分
🟦 演題:「関西生コン事件」って何? この国で働くすべての人に関わる「労働組合弾圧」を知ろう
🟦 講師:湯川裕司全日本建設運輸連帯労組関西地区生コン支部委員長、渡辺周Tansa編集長、中川七海Tansa記者
🟦 開催形態:Zoom見逃し配信:お申込みの全ての方に後日見逃し配信リンクをご案内します。
🟦 講演要旨:
非正規雇用が4割に上るこの国で、労働者の声を封じようと国家権力が躍起になっています。
標的にされたのは、正規・非正規を問わず労働者のために活動する産業別労働組合、「関生(かんなま)支部」です。
憲法で保障された権利に基づいて活動し、給料アップや休日の取得など、組合員たちの暮らしを豊かにしてきました。
しかし、企業内組合がほとんどの日本社会で、所属企業の垣根を超えて団結する産業別労働組合は、政治・経済権力にとっては「目の上のたんこぶ」でした。
警察・検察・裁判所が三位一体となり、罪にならないことを「罪」として仕立てあげ、組合員を次々に逮捕。
2018年からの逮捕者数は、延べ89人に上ります。さらに「人質司法」というシステムを使いながら、労働組合の解体を目指しました。
一連の弾圧により、1300人いた組合員は600人にまで減っています。
国家権力の暴挙を支えたのは、マスコミやレイシストです。事実と異なる情報を流布し、関生の活動をより窮地に追い込みました。
それでも、関生組合員たちは言います。「労働者の権利を守り抜くのが、私たち労組の役割です。弾圧には負けません」。
講演会ではまず、「関西生コン事件」を詳報する「非営利独立メディアTansa」の編集長・渡辺周と担当記者・中川七海が、事件について解説します。
さらに、関生支部の湯川裕司委員長をゲストに迎え、弾圧を受ける当事者として、生の声をお届けいただきます。
🟦 講師プロフィール:
湯川裕司/全日本建設運輸連帯労組 関西地区生コン支部 委員長
1972年、京都府生まれ。
ミキサー運転手や事務職員ら、関西の生コン産業に従事する労組「全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部」(関生支部)で、20代の時から活動する。京都エリアを中心に活動し、賃金や待遇改善の向上を実現。
2021年10月に関生支部の執行委員長に就任した。2018年から始まった関生支部への弾圧で8回逮捕され、計644日勾留された。
最も重い懲役10年を求刑された「京都事件」では、2025年2月、京都地裁で無罪判決が出た。
産業別労働組合の重要性と、「人質司法」による冤罪撲滅を国内外にアピール。
国内メディアが取り上げ始めているだけではなく、日本外国特派員協会で記者会見が開かれるなど、海外メディアも注目している。
渡辺周/Tansa編集長
1974年、神奈川県生まれ。日本テレビを経て、2000年に朝日新聞へ。社会部や特別報道部で探査報道を担い、原発事故後の連載「プロメテウスの罠」では、原発立地町・福島県大熊町の苦悩を描いた「原発城下町」などを執筆した。
2017年に探査報道に特化した「ワセダクロニクル」(現「Tansa」)を創立。創刊特集「買われた記事」で日本外国特派員協会「報道の自由推進賞」を受賞。
著書に『消えた核科学者』(岩波書店)、『自由への逃走』(旬報社、共著)がある。未解決事件や環境問題、政治の腐敗など、幅広いテーマを手がける。
中川七海/Tansa記者
1992年、大阪府生まれ。大学卒業後、米国本部の国際NGO「Ashoka」に就職。2020年、独立メディア「Tokyo Investigative Newsroom Tansa」に加入し、ジャーナリストに。
原発事故下の精神科病院で起きた事件の検証報道「双葉病院 置き去り事件」でジャーナリズムXアワード大賞、空調大手・ダイキン工業による大阪での化学物質汚染を描いた「公害PFOA」でPEPジャーナリズム大賞、メディア・アンビシャス大賞(活字部門)優秀賞などを受賞。
2024年、書籍『終わらないPFOA汚染』を上梓。
🟦 学堂会から:
「憲政の父・尾崎行雄」は1947年の著書「民主政治読本」で、主権者が憲法で定める権利をどのように解釈し運用するかが重要と次のように指摘しました。
「この立派な憲法の本当のねうちは、その文章自体にあるのではない。これをどう解釈するか、どう運用するかによってそのねうちは大変違ったものになると思う。(中略)28条の団体交渉権乃至団体行動権も積極的に解釈して、生産管理乃至業務管理を認めるか、消極的に解釈してこれを認めないかでは、その実態が甚だ違ってくる。
そしてその解釈と運用を決定するのは法律と政府である。そしてその法律をつくる立法府の議員を選ぶのが有権者である。ゆえに憲法に規定してある、各種の自由乃至権利の実態を消極的に解釈し運用するか、または積極的に解釈して運用するかを決定する最後の決定権は有権者にある。
そこに民主政治の有難味があり、そこに主権を有する人民の尊厳がある。」(P.52-53罷免と一般投票 – 解釈次第でねうちが違う)
私達一人ひとりが憲法で保障された自由と権利をどのように解釈するのかが社会の在り方に大きく関わっています。
今回の勉強会に特に関係あるのが憲法28条「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。」です。
私達は憲法28条で私達自身に保障された自由と権利をどのように解釈しているでしょうか。
そして、私達が選んだ議員が作る議会、議会の多数党が構成する政府、そして裁判所、マスメディアは憲法28条をどのように解釈し行動しているのでしょうか。
本件を通じて、私達は尾崎が大切にした批判精神をもって、労働する全ての人達の権利について、自分自身の考え方も含め学び直していく必要があると思います。
それは自分自身と他者の尊厳を学び直すことにつながります。皆様とご一緒に学べることを楽しみにしています。
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学堂会代表 太田敦之
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Wikipedia
尾崎行雄
尾崎 行雄(おざき ゆきお、1858年12月24日〈安政5年11月20日〉- 1954年〈昭和29年〉10月6日)は、日本の政治家、教育者。号は咢堂(がくどう。最初は学堂、愕堂を経て咢堂)。
日本の議会政治の黎明期から第二次世界大戦後に至るまで衆議院議員を務め、当選回数・議員勤続年数・最高齢議員記録と複数の日本記録を有し、「憲政の神様」「議会政治の父」と呼ばれる。政友会時代を除き、政権与党に属したことはなかった。東京市長時代の1912年(明治45年)にアメリカ・ワシントンD.C.のポトマック河畔に桜(ソメイヨシノ)の苗木を寄贈したことでも知られ、返礼として日本に初めてハナミズキをもたらした。聖公会信徒。
正三位勲一等(1946年5月4日付返上)。称号は衆議院名誉議員、東京都名誉都民。伊勢神宮内宮前の饗土橋姫神社左隣の参道の奥に鎮座する合格神社の祭神。世界連邦建設同盟(現・世界連邦運動協会)初代会長。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%BE%E5%B4%8E%E8%A1%8C%E9%9B%84
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学堂会
尾崎行雄 (1854-1954)日本の政治家。明治23年(1890)第一回総選挙に当選し、昭和27年(1952)総選挙まで連続25回当選(史上最多)。「憲政の神様」と呼ばれ、没後、… powered by Peatix : More than a ticket. (397 kB)