【教養としての戦争と法と医療】第5回講座
『終わらない戦争が終わるとき──第一次世界大戦の結末と制度の再生』
「戦争は終わらない」──そう思われた泥沼の戦いに、ついに終止符が打たれた1918年。
だが、その終結は勝利の凱歌ではなく、崩壊した制度と新しい世界秩序の胎動でした。
連続講座《教養としての戦争と法と医療》は、いよいよ終戦までの道のりを扱います。
◆ なぜ「終結」なのか?
第一次世界大戦の終わりは、単なる停戦ではありませんでした。
戦争を通じて「法」「医療」「国家」が極限まで試され、壊れた先に、現代につながる新しいルールと国際秩序が生まれたのです。
◆ 今回のポイント
🔹 戦場の果てに現れた「新しい国際法」
・休戦協定からヴェルサイユ条約へ──戦勝国の論理と国際連盟の誕生
・「戦争を終わらせる戦争」という理念と、その限界
🔹 戦争が変えた医療と社会
・感染症パンデミック(スペインかぜ)と戦場の影響
・整形外科・義肢・リハビリの発展──「失われた世代」と医療の新課題
・戦争神経症(シェルショック)から精神医学の時代へ
🔹 崩れゆく帝国と、新しい国家の誕生
・ドイツ革命と皇帝退位
・オーストリア=ハンガリー帝国の解体
・オスマン帝国の終焉と中東秩序の再編
・アメリカの台頭、そして「世界戦争」が「近代国際社会」を決定づけた瞬間
◆ 学べること
この講座が問いかけるのは、「戦争は制度を壊すが、同時に制度を生み出す」という逆説です。
第一次世界大戦の終結は、壊滅的な破壊の中から、現代国際秩序と医療の礎を築いた歴史的瞬間でした。
現代の国際危機や医療制度を考える上で、避けて通れない「100年前の出発点」を、制度史と人間の視点から掘り下げます。
こんな方におすすめです
歴史を「知識」ではなく「教養」として身につけたい方
戦争と法・医療の関係を現代につなげて考えたい方
国際秩序や制度が壊れ、再構築される過程に関心のある方
「戦争の終わり方」が現代にどう影響しているのか知りたい方
「終わり方」にこそ、次の時代をつくるヒントがある。
第一次世界大戦終結までの物語を、一緒に読み解きましょう。
