岩崎有一さんは「アフリカ最後の植民地」といわれる北アフリカの紛争地、西サハラを長年取材してきました。取材を通して知った占領下の知られざる実態を国連に伝え、平和的な紛争解決の必要性を訴えます。岩崎さんが意見陳述を行うのはニューヨーク国連本部で行われている第80回(2025年)国連総会の非植民地化を管轄する第4委員会で、陳述の日程は10月の前半になります(直前に決まります)。この報告会は岩崎さんの帰国報告会となります。
報告者:岩崎有一さん
プログラム(予定):第4委員会とは何か、会場の顔ぶれ、会期中のできごと、陳述内容とその意図・背景など。報告を1時間聞き、質疑応答を30分程度行います。
*西サハラ問題の基本的説明も行いますので、問題を知らない方もご参加いただけます。
報告者プロフィール:1972年生まれ。ジャーナリスト。アジアプレス所属。アフリカ地域に暮らす人々の日常と声を、社会・政治的背景とともに伝えている。1995年以来、アフリカ27カ国を訪ねた。近年の取材テーマは「西サハラ問題」「サヘル危機」「マラウイの食糧危機」など。学習院大学法学部政治学科非常勤講師/武蔵大学社会学部メディア社会学科非常勤講師/日本アフリカ学会会員/アフリカ日本協議会会員
主催:西サハラ友の会
Email: info@fwsjp.org
Website: https://fwsjp.org/
【西サハラ問題とは】
西サハラは旧スペイン植民地で、1975年、独立に向かう過程で隣国のモロッコとモーリタニアが軍事侵攻。モーリタニアは撤退しましたが、モロッコが占領を続けています。占領下では人権侵害が続き、西サハラの人びとは開発においても周縁化されています。独立派(ポリサリオ戦線)は1976年「サハラ・アラブ民主共和国(SADR)」の樹立を宣言。アフリカ連合の正式加盟国となっています。1991年、停戦合意を受けて、国連は西サハラで住民投票を行うことを決定しましたが、モロッコのサボタージュで中断したままとなっています。米国、フランス、スペインなどがモロッコの後ろ盾となっており、各国企業はモロッコが西サハラで進める天然資源(リン鉱石)採掘、水産業(タコなど)、農園事業(トマト、メロンなど)、再生可能エネルギー事業で利益を得ています。日本はモロッコが西サハラで不法に採掘するリン鉱石を輸入している数少ない国の一つです。また、西サハラ産のタコを「モロッコ産」としてモロッコの水産会社経由で輸入しています。
【国連総会第4委員会とは】
国連総会の中で特別政治問題と非植民地化を議論する委員会です。1960年総会決議1514 (XV)「植民地独立付与宣言」の履行状況をモニターし、17の非自治地域の自立・独立に向けた動きを検証などしています。毎年、総会会期中に公聴会を開催し、政府、団体、個人の意見陳述を聞いています。第4委員会の下にある非植民地化特別委員会とともに、市民が非植民地化について国連に意見を述べることのできる数少ない場となっています。
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【好評発売中】西サハラ友の会・ブックレット『西サハラの奪われたタコ:モロッコ占領下の水産業と日本の食卓』(2025年1月刊)、本文60頁、価格:610円(送料込み1冊)複数冊買うと安くなります。詳しくは当会HPで:https://fwsjp.org/archives/6455
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