【講座概要】
本講座では、20世紀フランスで活躍したジル・ドゥルーズ(Gilles Deleuze, 1925-1995)の哲学的着想の核心部分を扱います。映画理論、文学理論、美学、人類学、社会学、政治理論、科学技術社会論など、さまざまな分野の論文や書籍で名前を見かけるものの、実際に読んでみると、多くの哲学者の名前に振り回され、いまいちよくわからないという声をよく耳にします。
本講座では、ドゥルーズ哲学をテキストに即しつつ、当時の議論への応答と位置付けることで、その中心的なアイデアを明確にします。日本でも比較的よく知られているジャン=ポール・サルトル、モーリス・メルロ=ポンティ、ポール・リクール、ジャック・ラカンだけでなく、ドゥルーズの博士論文の指導教官であったジャン・イポリット、ドゥルーズが一貫して肯定的に言及したジャン・ヴァール、当時のフランスにおける心理学の動向などにも注目しつつ、ドゥルーズの哲学的な着想を描きだします。そのうえで、ドゥルーズの哲学に対するイメージや、彼の着想を用いることの強みについて考察します。
講座では、ドゥルーズの主著の一つである『差異と反復』に見られる四つのトピックを中心に、その哲学的な着想を理解することを目標とします。20世紀フランス思想史に関しては、多くの研究蓄積がありますが、本講座内では、思想の理解に必要な背景にかぎって簡潔に扱います。ドゥルーズ自身の思想遍歴や当時の時代状況の詳細については、参考文献を併読しながら受講することをお勧めします。
オンライン会議アプリ「Zoom(ズーム)」を用いて行います。
*第一回講座開講までに申し込み者が3名に満たない場合、2回目以降は不開講となる可能性があります。
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タイトル:ドゥルーズ哲学入門――『差異と反復』を読み解く
- 初回日時: 2025年9月26日 (金) 19:30 – 21:00
日程 : 9月‐12月の第4金曜日(9/26、10/24、11/28、12/26)
場所 : オンライン会議アプリ「Zoom(ズーム)」 を使用したオンライン講座
YouTubeにて見逃し配信あり(受講生限定、講座期間内のみ、参加者との質疑応答の時間は除く)
参加費: 全4回 一般8,000円/学生4,000円
※学生でお申し込みの方は、
(1)当日までに、学生証の画像・写真をinfo@kuniken.orgまでメール添付にてお送りいただくか、
(2)お申込み時のアンケートフォームの「学生確認用メールアドレス記入欄」に、大学などの在籍先が発行したメールアドレスをご記入ください。 - 各回の予定
第一回:「差異」
第二回:「理念/強度」
第三回:「経験論」
第四回:「永遠回帰」
- 参考文献
ジル・ドゥルーズ『差異と反復』(上・下巻、河出文庫、2007年)
小倉拓也『カオスに抗する戦い』(人文書院、2018年)
ベルンハルト・ヴァルデンフェルス『フランスの現象学』(法政大学出版局、2009年)
松本卓也『人はみな妄想する』(人文書院、2015年)
フランソワ・ドッス『構造主義の歴史』(上・下巻、国文社、1999年)※絶版 - 講師
- 得能想平(とくのそうへい)奈良先端科学技術大学院大学デジタルグリーンイノベーションセンター助教。専門は、ジル・ドゥルーズを中心とする20世紀フランス思想史。「『差異と反復』における強度と個体化——ヴュイユマンのコーエン解釈を手掛かりに——」( 『フランス哲学・思想研究』第26号,2021.) 。「トゥルニエの「非人称主義」——サルトルの『存在と無』との比較において―」(哲学論叢 第46号、2020年)。「初期ドゥルーズにおける存在論と合目的性」(関西哲学会年報『アルケー』第26号、2018年)など。
- オンライン会議室ご招待状: チケットご購入の方に、Peatixの自動送信メールにてご案内いたします。
※チケット購入の際にアンケートへのご記入をお願いいたします。
※ご不明な点がございましたら、Peatixのメッセージ機能を用いるか info@kuniken.org までお問い合わせください。 - Peatixチケット購入締切: 講座最終日の14時00分まで販売しております。
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KUNILABOではほかにもいろんなオンライン講座を企画中です。詳細が決まり次第ご案内いたします。ご期待ください。