第18回内田樹先生Zoom特別授業 バンコクオンライン
内田先生の問いに対する中高生からの答えをもとに、今日の日本や世界の姿について学びます。今回のテーマは「外国人排斥運動」です。学生の皆さんはじめ、保護者の方、社会人の方もぜひご参加ください。
内田先生からの課題文を下に転記します。どうぞ皆さんのご意見をお聞かせください。
日時:8月16日(土)15:00-16:30(日本時間)
対象:中学生以上 定員: 50名
後日アーカイブでの動画視聴も可能です。
受講料:当サイトからのチケットの販売は8月14日23:59までです。
〈一般〉1回券:4,800円
〈学生〉1回券:3,200円
※後日アーカイブでの動画視聴も可能です。
主催:教育センター・アリオリオ(タイ・バンコク)
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〈内田先生からの課題文〉
日本ではこの夏の参院選でいくつかの政党があからさまな『外国人排斥』公約を掲げました。そのような公約が有権者に好感されると思ったのです。現在日本には外国にルーツを持つ人たちが380万人います。日本は今急激な人口減局面にいますから、この比率はこれから急増すると思います。
外国ルーツ人口はアメリカが14%、フランスが11%、ドイツが27%です。どの国でも「移民排斥」を掲げる排外主義的な極右勢力が大きな力を持つようになってきて、社会的分断が深まっていることはご存じだと思います。
日本では、円安のせいで外国からの観光客が増えました。観光業にとってはよいことですけれども、そのせいでホテル代が高騰し、なかなか予約がとれなくなりました。オーバーツーリズムの弊害も出てきています。外国の富裕層がスキー場や東京のタワーマンションを買い占めて、あちこちに「もう日本語が聴こえない」場所が増えてきているというのも事実です。
これを「日本人の領域を外国人が侵害している」というふうにとらえる人が少なからずいます。彼らの耳には「日本ファースト」「日本人ファースト」という政党の公約は心地よく響くのかも知れません。
バンコクでもオーバーツーリズムや不動産の投機的な買い占めのような事案は起きていると思います。
みなさんはこの「外国人排斥機運の高まり」をどう感じますか。僕はとても危険なものだと思っています。
ご意見をお聞かせください。